2008年07月08日

太陽光発電―なぜ日本では普及しないのか

地球の陸地面積の1.5%に太陽光パネルを貼れば

 「地球の陸地面積の1.5%に太陽光パネルを貼れば、地球上のすべての人間がアメリカ人が消費しているエネルギーと同量のエネルギーを使うことができるんです。」
 こう語るのは、慶応義塾大学環境情報学部教授の清水浩先生。清水先生といえば、世界最速の時速370kmの電気自動車「Eliica」を開発された先生として有名ですよね。

 清水先生と対談しているのは報道ステーションの古館伊知郎さん。
 そう、先ほどの報道ステーションの特集レポートからの一コマです。

 「太陽からは人間が消費するエネルギーのおよそ1万倍のエネルギーが注ぎ込まれています。だから、地球温暖化対策の切り札は太陽光の利用なんです。」、と熱く古館さんに語る清水先生。

 一視聴者の私は、どんどん特集の内容に引き込まれていきました。

太陽光パネルでトップレベルの技術をもつ日本、でも…

 太陽光パネルに関しては、日本はトップ技術のレベルをもっていることは多くの方に知られている事実だと思います。三洋電機やシャープがトップメーカーであるということもよく知られていますよね。東京から京都へ向かう東海道新幹線に乗っていると、岐阜羽島駅を過ぎたあたりで巨大な大規模太陽光発電施設「ソーラーアーク」(三洋電機)をご覧になった方も多いと思います。

 でも、太陽光パネルの普及率でいうと、太陽光パネルの黎明期においては世界一の普及率を誇っていた日本は、数年前にドイツに抜かれたのち、現在では比較にならないほどドイツの後塵を喫しているという報道にもうビックリ。

政策が爆発的普及へのカギ

 「なぜドイツで爆発的に普及した太陽光パネルが、日本で普及しないのか?」この疑問を解くカギは「政策」にあると、レポートは続きます。

 番組によると、ドイツでは、「太陽光パネルで発電した電気を、電力会社が通常の3倍の価格で購入する義務を負う」という政策を採用しているとのこと。
 それに対して、日本では、「電力会社が、自主的に、通常の価格で、太陽光パネルで発電した電気を買い取っている」のが実情。
 太陽光パネル設置に関わるコストには日本とドイツの間で差はないそうで、電力会社への売電価格の差がそのままストレートに償却期間(どれくらいの期間でモトがとれるか)に跳ね返っています。気になる償却期間ですが、平均的な家庭の場合、ドイツではおよそ10年、日本では20年以上かかってしまうとのこと。
 実は私も自宅を新築した際に、太陽光システムの導入を検討したのですが、価格的なメリットが全くないという理由で、採用を断念した経験があります。当時考えたのは、「せめて10年ぐらいでモトがとれたらなぁ」ということで、ドイツの政策はまさに一般市民の感覚に太陽光パネルを近づけるものといえそうですよね。

市民発電の苦労

 日本においても、太陽光パネルを利用した市民発電が立ち上がっていますが、売電価格の安さがネックになって、多くの方が苦労されておられます。
 そうした発電所の中でも有名なのは、長野県飯田市にあるおひさま太陽光発電所(http://www.ohisama-energy.co.jp/)。今年の初めにNHKの「クローズアップ現代」にも取り上げられましたよね(2008年1月17日放送。http://www.nhk.or.jp/gendai/)。飯田市のおひさま太陽光発電所の大きな特徴は、電力会社を通さずに直接施設へ電力を販売することにあるようです。電力を売る側にとっては売電よりも高い価格で販売でき、電力を消費する側にとっては電力会社よりも安い価格で電気を購入できるしくみです。いわば、電力会社の利ざやを二者で分けるという形でしょうか。

日本も政策転換を

 ドイツ最大の太陽光パネルの製造会社の社長が番組の中でこう語っていました。
 「太陽光パネル普及のカギは、いかに長期的な展望で政策立案できるかという点にあると思います。」

 温室効果ガス50%削減に関する合意形成が洞爺湖サミットの大きなテーマとなっているいま、議長国である日本が、温暖化対策の切り札の1つである太陽光パネル普及のために大きく政策を転換することを強く望みます。

追記
 本記事の続編があります。
 こちらもご覧ください。


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posted by みんみん at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | STOP! 地球温暖化
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